理事からの御挨拶
日本経営会計専門家協会の目的は、企業経営の支援に学問的裏付けを持っていただくこと、学問と実務の連携の中でリーダーシップを発揮できる人材を育成することの2つです。
世界では特に欧米を中心として、専門家団体が複数設置されるなど、管理会計の専門家はプロとして認められています。ところが日本では「失われた20年」が過ぎてもなお、会計的知識を経営に活用しようという機運が高まりません。経営資源の最適活用を経営者にアドバイスし、高付加価値経営に導いていくべき会計人がその役割を十分に果たしていないのです。
日本は技術力も営業力も、また民度も世界的に見て高いのに、利益率が低いです。これは努力至上主義的で、額に汗して頑張ればどうにかなるという精神論を持つ経営者が多いからだと思います。もちろん努力は大事ですが、経営者ならもう一つ忘れてはならないことがあります。成果を出すという責任です。
成果を出すのに重要なファクターが会計です。そこで会計人が経営者のコーチ役になり、会計人と経営者が協力して企業を伸ばしていくことが必要になります。コーチングのできる会計人が増えれば、中小企業が息を吹き返し、ひいてはGDP引き上げにつながるでしょう。これが本協会の基本構造です。
日本経営会計専門家協会 理事
京都大学 澤邉紀生