事務所インタビュー 小野瀬公認会計士事務所  小野瀬貴久先生

 EMBA第4期生の小野瀬貴久先生にインタビューさせて頂きました。上級経営会計専門家(EMBA)プログラム受講のきっかけや背景等、伺うことができました。

話し手:小野瀬貴久氏(小野瀬公認会計士事務所)
聞き手:飯塚隼光氏(京都大学)

 本日はお時間を頂きましてありがとうございます。今後のケース作成にあたって小野瀬先生自身のお考えやキャラクター性というものが重要になってきます。込み入ったお話をお聞きすることになるとは思いますがよろしくお願いします。
 早速なのですが,学生時代どのようなことをされてきたのでしょうか。

 中学・高校時代は野球部でした。チーム競技が好きだったのと,友達が作れればいいなという想いもあって,野球をやっていました。が,どうにも野球の才能はなさそうだなというのも感じていました。
 大学は地元を離れて東京の大学に進学しました。思い出といえば,大学1~2年までは毎日テニスの練習をしていました。体を動かすのは好きでした。

 小野瀬先生は公認会計士資格をお持ちだと思います。テニスに熱中されていたとのことですが,どういうきっかけで資格取得を目指されたのでしょうか。

 大学時代も明確にやりたいことがあったわけではありませんでした。父親が会計士の資格をとって会計事務所を開いていたのはもちろん知っていました。が,それまでは資格を取ろうと思ってはいませんでした。
 きっかけは大学2年の春休みです。実家に帰ったら,自分の机の上に資格試験のためのパンフレットが置いてありました。無言の圧力なんでしょうか(笑)。でも私自身なんでもやってみようと思うタイプなので,せっかく勧められたならやってみようかな,と思い資格試験の勉強を始めました。その頃は複式簿記とは?から始まったので,後から試験範囲の広さに驚きましたね。

 基礎的なところから勉強をスタートされたのだろうと思います。勉強はつらくなかったですか。

 何か月かやってみて,これは自分に合っているなというのは感じました。非常に細かい点まで教えてくれるし,講師の方の中には実務家の方もいて,聞いていて非常に面白かったです。これは嫌じゃないから続けてみようと思っていました。

どのような点が面白く感じられていましたか。

 科目でいえばまず会計学と企業法が好きでした。というのも会社そのものに興味があったのだろうと思います。会社法の株式会社や法人の仕組みなど,いま目の前にある実社会がこういう仕組みになっていると知り、知的好奇心とつながって面白いなと感じていました。
 その次は管理会計で,数字を使って会社を良くしていこうという話だと思うのですが,この会計学や管理会計の話の一連の流れが好きでした。法律も同じで,立法趣旨といえばいいんでしょうか。何を考えてこれを作ったのだろうという疑問が、ある種の「流れ」のように整理できて好きでした。
 仕組みの根本からその構造が分かっていると自分で説明できるようになると思います。人に話したりするのが好きなタイプなので,今から思うと自分で説明できるネタを探していたのかなと思います。

 話したり,説明するのが好きということですね。少し話が外れますが,仕事をする際のモチベーションもやはりそういうところからきますか。

 それももちろんありますね。お客様から頼まれて,納得できる解答が出せた時が一番自分の中ではモチベーションというか、そういうものを感じます。
 それと,解答を導き出すこと自体が好きな部分もあります。いろいろ考えて,課題を解決する方法を見つけることも好きですね。

 資格取得後,監査法人で勤務されていたかと思います。それから地元に戻られたきっかけはなんだったのでしょうか。

 監査法人で10年程勤務していました。戻ったきっかけは父から「地元に戻って来てくれないか」と誘ってもらったことです。資格試験の時はパンフレットを黙って机に置いておかれたのですが、その時は直接言ってくれたので,本気さが伝わってきました。

 そこから現事務所での勤務を続けていられるのだと思います。上級経営会計専門家(EMBA)プログラムを受講されたきっかけはなんだったのでしょうか。

 元々様々な会合等で知り合いだった西迫会計事務所,西迫一郎先生から紹介を頂きました。まさか自分にお声がかかるとは思ってもみなかったのですが,会計学等は好きだったので,純粋に面白そうだなと思いました。税務会計を日ごろやっているとどうしても,求められる知識が狭く,深くなっていってしまいます。新しいことを自分で学ぼうとしたら,自分から飛び込まないといけないなと感じて応募しました。

 新しいこと学ぶ必要性を感じられていたんですね。具体的に学びたいような領域があったのでしょうか。

 最近,仕訳は自動化されるから,会計事務所の仕事としてコンサルや対話以外の部分はなくなるとよく聞きます。もちろん私個人としてはすぐに財務会計に関する仕事がなくなるとは思っていません。
 私の事務所では試算表を作って,訪問し,コミュニケーションをとるという事に加えて,所長から「プチコンサルをしよう」とよく言われています。ですので,コンサル的な部分は社内でもありました。
 そして、コンサル部分の先駆者たちが何をやろうとしているのか興味がありました。上級経営会計専門家プログラムはまさにコンサルをどうやって事業化できるかといった要素を感じたし,京都大学を中心としているということは先端的な話が聞けるのではないかと感じました。

 実際,上級経営会計専門家(EMBA)プログラムを受けてみてどうでしたか。

 コンサルティングがどういう考え方をするべきなのかが理解できた気がします。
 私の中ではコンサルティング=課題解決だと考えています。授業の中で,課題解決に結び付けながら理論的に説明されているのが印象的でした。非常におもしろかったですが,これをどうやって横展開すればいいのか,従業員に教育していけばいいのかというのは難しいなというのも同時に感じました。
 受講後なのですが,上級経営会計専門家プログラムの題材として扱った事例とほとんど同じ状況の企業とめぐり合ったこともあります。その点でも実践的だったと思います。
 それと,他の事務所の先生方がどういう点で悩んでいるのか共有できたのも大きいです。同じ方向性を向いている仲間がいたぞというある種の安心感みたいなものを感じました。

→今後事例作成等させて頂く予定です。事例公開までしばらくお待ちください。

小野瀬貴久先生
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